
『三國志』や『信長の野望』など、ゲーム業界に歴史シミュレーションゲームという新領域を開拓し、今もソーシャルゲームやイベント事業など様々な分野に進出を続けるコーエーテクモゲームス。この日本を代表するゲーム会社が2020年3月、みなとみらい21地区47街区に本社機能とライブハウス型ホールをもつ新社屋「KTビル」を完成させました。なぜ、みなとみらいだったのか――。襟川芽衣取締役にお話を伺いました。
◆世界と日本をつなぐ港町
Q.みなとみらい21地区を選ばれた理由を教えていただけますか。

建設場所として、横浜市内に作ることは決めていました。当社の発祥の地ですし、私の家族も横浜市内に5代にわたって住んでいるので思い入れがあります。また、イベントを主催することも多かったことから、2000人規模のライブハウス型ホールを建設可能な場所であることも重要な条件でした。みなとみらい21地区は、これらの条件を十分に満たしてくれています。
もちろん、こうした条件のみではなくて、横浜・みなとみらいの持つ可能性にも惹かれました。横浜には世界と日本をつなぐ港町として発展してきた歴史があり、みなとみらい地区は今まさに未来を創造しているエリアです。そして、横浜には林市長をはじめとする文化・芸術を大切にする素養が育まれています。こうした背景と、当社が目指す「世界No.1のエンタテインメント・コンテンツ・プロバイダー」像が一致したのもみなとみらいを選んだ理由です。
◆文化・芸術の発信の舞台に
Q.ライブホールを併設しているのは面白いですね。



当社は、ゲームキャラクターの声優の出演イベントや、スポーツ競技としてのゲーム「eスポーツ」に力を入れています。これまでもパシフィコ横浜などで、女性向けの恋愛ゲーム『ネオロマンス』の声優イベントなどを行っていましたが、2000人規模のちょうど良い会場がなかなか無かったことや、イベント事業が中長期的に伸びると考え、「KT Zepp Yokohama」を併設しました。eスポーツにも対応したライブ会場の設計はこれまでに無い事例なので、通信環境や座席の配置などにこだわりました。特に舞台は通常よりも奥行きがあるように設計しているため、音楽ライブはもちろん、VRなどの最新技術も使った演出の対応も可能です。また、イベントに合わせて物販が盛んなのも当社イベントの特徴ですので、物販やコスプレ撮影なども行えるようにホワイエ部分をかなり広くしています。
新型コロナウイルスをきっかけに、イベントの在り方が大きく変わりました。当社はその変化をしっかりと捉え、イベントのライブ配信などに最新技術をうまく取り入れて、このライブホールを拠点にコンテンツ・情報を積極的に発信していきたいと考えています。
◆開放的な環境が、社員のクリエイティビティを触発
Q.ユニークな仕掛けですね。社員にはどのような効果があったのでしょうか。





特にこだわったのは、社員が食事するカフェテリアです。以前は地下に食堂を設置していましたが、今回は4階に設えました。大きな窓からはみなとみらいが一望でき、その変わりゆく姿を堪能することができます。また、「腹が減っては戦は出来ぬ」と言いますので、味に妥協はありません。銀座スエヒロカフェテリアに委託をしていまして、まず、ビーフカレーは絶品です。さらに製麺機やピザ用の本格窯を導入しているので、打ち立て・茹で立ての蕎麦や窯焼きピザを用意しています。私も実際に選考会で試食しましたが、本当に美味しいです。
ところで、エントランスをご覧になりましたか? 入ってすぐに設置されている大きなライオンとゾウの壁面には驚いたでしょう。私自身、最初のイメージデザインをみた時には、衝撃でした。実際に来社された方に話を聞いてみても「圧倒された」「美術館かと思った」と言っていただけるのはうれしいです。細部の装飾まで、いたるところに美意識が張り巡らされているので、これらが社員のクリエイティビティを触発してくれると良いですね。
◆アイデアを生む街並み
Q.実際に働いてみて、みなとみらい21地区はいかがでしたか?

また、都内から打ち合わせに来られるクライアントの方々にも好評の声をいただいています。「都内とは違って、潮風が感じられて開放的な気持ちになるね」と言っていただけると、みなとみらいに移転して良かったと思います。
◆世界水準のコンテンツを発信
Q.みなとみらいに期待するところと今後について教えてください。

みなとみらいは、大学や世界的企業などが集積し、これからどんどん発展していく街です。当社としてもこれらの企業の方々と様々なコラボレーションを行いたいと考えています。新型コロナウイルスの影響で延期になってしまいましたが、隣接するホテルの一室とコラボしてゲームの世界観に内装を変えることで、まるでゲームの世界に入ってしまったような感覚を味わってもらったり、VR(バーチャル・リアリティ)とモーションキャプチャを組み合わせる最新技術をゲームやイベントに織り交ぜることでユーザーに新しい体験を届けていきたいと考えています。近年は、『仁王』のようにオリエンタルな雰囲気をもつゲームが世界でもヒットを重ねていますので、その点でも横浜は最適です。さらに横浜の持つ「潮風」のイメージもゲームに反映できたら面白いですね。
芸術と文化の振興を大切にする横浜・みなとみらいとの相乗効果で、世界No,1のエンタテインメント・コンテンツ・プロバイダーを目指して、世界に新しいコンテンツを発信していきます。