みなとみらい汽車道で行っております、アマモの育成と水環境調査。
3月12日(火)に2023年度第3回目の調査を行いました。
当日はあいにくの空模様・・・。
雨が降ったり止んだりの中での潜水調査となりました。
前回は2023年7月29日に調査を行っていますので、半年以上が過ぎての調査になります。
さて、前回調査で残っていたアマモ(3株)は、猛暑だった2023年の夏を乗り越えられたのか!?
また、どれくらいの生物がアマモの播種&移植ポイントにいたのか!?
果たして今回の結果はいかに!?
《2023年度第3回 調査結果》
○2021年3月にアマモの再発生を確認した位置において、アマモは生育していませんでした。
→「奇跡のアマモ」の発生場所には、今回も再発生はなかった模様です。
○2022年11月に地植え移植したアマモはすべて消失していました。
→前回7月の調査時に既に無くなっていた地植えのアマモ・・地植えでの生育は難しいのでしょうか?・・・と思ったら!
○2022年11月に地植え播種したアマモは1株再発生していました。
→地植え播種(種を植えたところ)した箇所から、なんとアマモ1株が再発生していました!さらに!!
○2022年11月にY.P.-0.7mに設置したプランターに播種したアマモは1株再発生していました。
→Y.P.-0.7mのプランターからも1株のアマモが再発生!種が時を越えて発芽したのでしょうか?
○2022年11月にY.P.-1.0mに設置したプランターに播種したアマモは2株残存していました。
→Y.P.-1.0mのプランターには2株のアマモが残っていました!
2023年のあの暑かった猛暑を耐え抜いたのか?それともこの2株も再発生組なのか??
○2022年11月にY.P.-0.7m、-1.0mにそれぞれ設置したプランター内の砂の流失は、-0.7mの砂が多少減少したものの、16ヶ月が経過してもほとんど起きていませんでした。
→砂の流失は2023年度もほとんど起きていない様です。
2022年度に播種&移植をしたアマモは前回7月の調査時点でプランター(Y.P.-1.0m)の3株を残して全て消失していましたが、今回の調査時に以下のポイントに計4株のアマモを発見しました。
◆プランター播種(Y.P.-0.7m)・・・総株数1株、最大全長15cm※7月に消失後、再発生!
◆プランター播種(Y.P.-1.0m)・・・総株数2株 最大全長29cm※7月調査時に3株残っていたポイント
この2株が2022年度のアマモなのか、新たに発生したものかは不明
7月の調査時で最大全長28cm、今回の測定時29cm・・・夏を越えられたのか??
◆地植え播種(Y.P.-1.0m程度)・・・総株数1株 最大全長17cm※7月に消失後、再発生!
この再発生が、残った地下茎から枝分かれたものなのか?
発芽せず泥の中に留まっていた種子が発芽したものなのか??
たぶん、播種ポイントからの再発生なので、種子の発芽なのではないかと思うのですが・・・
2024年度は再発生したアマモの出現元についても調査できればと思っています。
また、調査時は緑藻綱のシオグサ属(緑のフワフワしたやつです)や紅藻綱のショウジョウケノリ(赤くフワフワしたやつです)が海底を広く覆っていました。
(プランターの中も、藻で覆われアマモの姿も隠れ気味です。)
蛇籠より沖側の砂泥底ではトゲアメフラシや、実験場内ではアカニシが生息していました。
魚類は、全体的に出現個体数が少なく、アミメハギを観察するに留まりました。
(この時期はまだ水温が低く、全体的に魚類は少ないようです。)
次回の調査は2024年6月あたりを予定。再発生したアマモは残っているのか?育っているのか!?
2024年度は、水質浄化の対策を行うなど新しい事にもチャレンジしていきますのでその中で汽車道実験場の水中の状況に変化が起きるのか?
少しでもアマモや海の生物にとって暮らしやすい状況になるように・・・
今後も引き続き私共横浜みなとみらい21では、みなとみらいの水環境向上と生物多様性への取組を進めてまいります。
再発生したアマモ達が育っている事を祈りつつ、次回調査結果をお待ちください!
※3/12(火)の動画はこちら