2024年度第2回(11月8日実施)の水環境調査結果について

2024年度第2回(11月8日実施)の水環境調査結果についての写真

『2024年度水環境調査 Hiビーズ設置後の経過観察および鉄鋼スラグの設置』[2024.11.8(金)](※調査実施日)

2024年11月8日(金)に2024年度第2回目となる水環境調査を行いました。
調査結果が届きましたので、11月の実験場の状況をお知らせさせていただきます。
前回は2024年6月に調査を行っていますので、約5カ月ぶりの調査になります。
水質浄化実験のために6月の調査時に設置したHiビーズ入りのプランターと、
Hiビーズが散布されていないプランターには何か調査結果に差が見えたのでしょうか??

【調査内容】
◇6月の第1回調査の際に実験場周辺に設置した4基のプランター
(うち3基のプランターにはHiビーズを散布)設置後の経過観察をしました。
◇Hiビーズを散布した3基のプランターのうち、
1基のプランターを回収しプランター内の底生生物と底質を採取しました。
⇒採取した底質について、実験場周辺で採取した底質と粒度組成、強熱減量、硫化物、COD等を比較して、
Hiビーズを散布したことによる底質改善の効果を検証しました。

〈調査結果〉
・粒度組成はHiビーズを散布した分、試験区の礫の割合が多くなりました。
・中央粒径、強熱減量、硫化物、CODは比較区に比べ、全て試験区が低くなりました。
・試験区の中央粒径、強熱減量、硫化物、CODの値は、全てアマモ生育条件の基準値の範囲内でした。
・比較区は中央粒径、強熱減量、CODの値がアマモ生育条件の基準値の範囲外でした。
Hiビーズ1.jpg2プランター回収.jpg

◇鉄鋼スラグ製品設置直後の生物観察調査
⇒鉄鋼スラグ製品を設置し、初期値として設置直後の生物観察調査を行いましたが観察枠内に生物の出現はありませんでした。

◇設置済みカキ殻礁を1基回収し、カキ礁内の生物を採取しました。
(回収したカキ殻礁は再設置しました。)
⇒11月調査では既設のカキ殻礁8基のうち1基を回収後、カキ殻礁内の生物を採取し試料としました。
回収したカキ殻礁は生物を採取後、再設置を行いました。
カキ殻礁内には、ミドリイガイやシマハゼ類などが出現。また、シマハゼ類はカキ殻礁の周辺にも出現しました。

24.11月鉄鋼スラグ、カキ殻礁.jpg

調査結果を見ると、Hiビーズを散布した試験区の底質は、散布していない比較区と比べ、
アマモの生育に適した底質の数値になりました!
今後、1月にアマモの播種を行い、
Hiビーズの有り無しでアマモの発芽状況等に違いが出るか検証を行えればと思います。
※1/25(土)にアマモの播種を行いました。こちらの情報は追って記事をUPいたします。

また、11月の調査時には、Hiビーズと同様に水質浄化を促す「鉄鋼スラグ」製品を設置しております。
設置直後の生物観察調査を行いましたが、観察枠内に生物の出現はありませんでした。
今後、今回設置した鉄鋼スラグ製品に濾過食性動物の二枚貝綱やホヤ綱の付着し、
これらの生物が濾過食をすることによる水質の浄化を期待します!

設置済みのカキ殻礁内の生物については、ミドリイガイやシマハゼ類と言った
汽車道実験場の常連と言える生物が棲んでいました。
Hiビーズや鉄鋼スラグの設置によって、実験場の状況にどう変化があるのか?

次回の調査は2025年1月25日に実施。
アマモの播種を行います!(今回はアマモの株ではなく種のみを植えます。)
Hiビーズや鉄鋼スラグを設置した事による効果はいかに!?
アマモの発芽と生育に良い効果が出る事を期待して、引き続き水環境の向上に取り組んでまいります。

それでは、次回調査結果をお待ちください。

※Hiビーズとは(提供:中国電力株式会社)
広島にある中国電力株式会社の石炭火力発電所で発生する
石炭灰のフライアッシュに少量のセメントと水を混ぜて、粒状に固めたものです。
高い強度と透水性(水はけの良さ)を有することから港湾の軟弱地盤改良材として活用されてきましたが、
最近では、海域及び河口域での生物の生育環境の改善や、ヘドロ浄化、硫化水素(悪臭)の
溶出抑制などの環境修復材としての活用が注目を集めています。
*Hiビーズについてのより詳しい説明は以下のURLをご覧ください。
https://www.energia.co.jp/business/sekitanbai/index.html

※鉄鋼スラグとは(提供:JFEスチール株式会社)
鉄鋼スラグは、鉄鋼製造過程で発生する副産物で、
セメント原料やコンクリート用骨材、道路路盤材として利用されるほか、水質浄化にも活用されています。
鉄鋼スラグは水中の重金属や有害物質を吸着・除去し、環境保護に寄与します。
鉄鋼スラグ製品は、陸も海も問わず、あらゆる場所で大きな役割を果たしています。
環境に優しく、サステナブルな街をつくるための未来資材です。
*JFEスチール㈱の鉄鋼スラグについてより詳しい説明は以下のURLをご覧ください。
https://www.jfe-steel.co.jp/products/slag/index.html

※11/8の水環境調査動画はこちら

https://www.youtube.com/watch?v=IZh7sIxrU_Y