「ぴあアリーナMM」は、みなとみらい21地区に誕生した収容人数・約12,000人のコンサートホールです。4月25日、26日に横浜出身のアーティスト「ゆず」による杮落とし公演が予定されていましたが、コロナ禍のため見送りとなりました。以降3か月の公演も中止・延期を余儀なくされていましたが、7月10日にいよいよ開業し、コロナ感染防止対策を徹底したうえで、8月から公演が徐々に開始される予定です。
みなとみらい大通り沿いにあるホールエントランス(1F)前には、インスタレーション「Motion Corridor」があります。8本の柱に設置された縦型のディスプレイには、3人のアーティストによる作品が毎日、11:00~20:00の間、1時間のうちに2回放映されており、入場を待つ人だけでなく通りを行き交う人もアート作品を楽しめる空間になっています。
1Fのアリーナに入ると、眼前に広がるのは黒い空間。アリーナの収容人数は、着席時は3900名、スタンディング時には1.5倍の6000名。コンサートに行ったとき、内側の席に入るのに、すでに着席している人の前を「すみません」と恐縮しながら横歩きする経験、ありませんか?
ここでは、椅子の列の間がゆったりとしていて、荷物を置いても窮屈な思いをすることもなさそうです。座面と背面のクッションの座り心地もよく、ひじ掛けにはカップホルダーもあり、ドリンクを飲みながらイベントを楽しむこともできます。
座席が黒に統一されているのは、イベントの演出を引き立てるためとのこと。また、万が一、空席があっても目立たないという効果もあるそうです。
1~3Fには売店があり、オリジナルホットドッグやホール限定のクラフトビールを販売しています。待ち時間が少なくすむように、注文と支払いは基本キャッシュレス、セルフレジでの受付です。(台数は少ないですが、現金での支払いも可能)。
3Fには、開場・開演前に利用できる有料ラウンジ「CLUB 38(クラブ サーティエイト)」もあります。予約制で、1人3500円から、ビュッフェ・ドリンクなどが提供され、開演前の3時間をゆったりと過ごすことができるスペースです。随所に取り入れられている音楽にちなんだデザインやインテリアも楽しみの一つ。
ちなみに、名前の38という数字は、みなとみらいの街づくりに関係しています。38街区に建設されているのがぴあアリーナMMなのです。(※街区とはみなとみらい地区の開発時に割りあてられた区画番号のこと)
ところで、みなとみらい21中央地区の街づくりでは、各建物にはパブリックアートを設置することがルールづけられています。
ぴあアリーナMMでは2階のペデストリアンデッキに、日本を代表するイラストレーターである安西水丸の[ Flying Tomato ]が設置されています。もともとは帝国ホテル大阪内「フライングトマトカフェ」の壁画でしたが、2018年の店舗改装を機にみなとみらいに移設されました。
みなとみらい21地区には、桜木町方面から海に向かうクイーン軸、横浜駅方面から海に向かうキング軸、これらを街の中央部でつなぐグランモール軸を中心に、ペデストリアンネットワークが形成されています。
ぴあアリーナMMのペデストリアンデッキは桜木町側に繋げる工事が現在行われています。いずれ横浜駅側にも繋がり、横浜駅から桜木町駅まで1本の歩行者空間となる予定です。
ぴあアリーナMMは、コンサートはもちろん、その前後の時間と空間を楽しめそうです。