左から齋藤裕太さん、藤田悠佑さん、原田蓉子さん、生湯聡さん、河内隆さん
みなとみらい21地区に拠点を構える企業の皆様に、直接街の魅力をご紹介いただくことで、このエリアで働くことの魅力に迫るインタビュー企画。 お話を伺ったのは株式会社村田製作所 企画部 シニアマネージャー生湯聡さん、河内隆さん、原田蓉子さん、CSR・環境安全部 藤田悠佑さん、広報部 齊藤裕太さんです。
河内さん:
さまざまな理由がありますが、一番は事業の柱として今後注力していきたい分野の拠点を設けるためです。
弊社は、セラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている総合電子部品メーカーです。
今年で創業75周年を迎えました。
コンデンサやセンサなど、幅広い製品を製造しており、京都から世界へ市場を伸ばしています。
現在はスマートフォンの発達により、通信関係がメイン市場になっています。外からは見えませんが、スマートフォン一つの中には村田製作所の主力製品であるコンデンサだけでも800個〜1,000個が使われています。
弊社の主な研究開発拠点は、京都・長岡京にある本社と滋賀・野洲、神奈川・横浜の3ヶ所です。
現在は通信関係のお客様が主な取引先ですが、中長期で事業を見据えた際、車・医療・エネルギーの3分野を新たな柱として育てていきたいと考え、その拠点をみなとみらいに設けることに決めました。
生湯さん:
関東の中でもみなとみらいを選んだ理由は2つあります。
1つ目は、横浜・関内がスタートアップ企業が集まるまちであること。
スタートアップ企業と協働しやすい環境に拠点を持つことで、時代の流れに沿った製品開発をスピーディに進めていけると考えています。
2つ目は、海外からのアクセスも良く、ロケーションが良いこと。 弊社の売上の90%以上は海外ですから、海外からのアクセスの良さや海外企業に良い印象を持ってもらうことはビジネスに直結します。
河内さん:
「みんな(皆)とみらい(未来)の成長エンジン」です。
みなとみらいに拠点を設けることは、村田製作所を次世代へつなぐ変革のチャンスと捉えています。
そのためこれからの会社を担う若手社員が中心となり、コンセプトを考えました。
キーワードとなるのは「働き方」。近年、働き方改革が話題になっていますよね。
みなとみらいのプロジェクトでは、弊社で今まで取り組めなかったことにも積極的にチャレンジしていく姿勢を大切にしています。
原田さん:
研究開発や製造を中心とした会社ですから、ノマド的に誰もが場所を問わずに働くことは難しい面もあります。
しかし、みなとみらいの拠点は、弊社の中で最先端をいく拠点であってほしい。
だから少しでもできることがあるのであれば、会社としても後押しをしていくような流れをつくろうとしています。
藤田さん:
まだ検討段階ですが、柔軟な働き方ができる仕組み・制度づくりに取り組むほか、働きやすいオフィスづくりにも注力しています。
どのようなオフィスであれば社員が生産性を高められるのかアイデアを出しつつ、建物のレイアウトに落とし込んでいます。
建物自体にもこだわっています。
1〜4階の低層階は、近くから⾒上げた際の圧迫感を低減するため、ルーバーを縦で形成しています。
6階以上はルーバーを横にして、角度を場所ごとに使い分けることで日射遮蔽を図ります。
また、Low-E ペアガラスの採用により熱負荷の低減を図ると共にリズミカルなファサードを形成します。
このような設計は、定量的に考え決定しております。
みなとみらいに拠点を設けることは、弊社としてもチャレンジだと考えており、攻めの姿勢を忘れず、何十年か先でも価値が見いだせる建物として、フレキシビリティのあるものにしたいですね。
河内さん:
1階と2階の大通りに面したエリアににぎわい施設(公共空間)を設ける計画です。
にぎわい施設は、小学校高学年生をメインターゲットに、エンジニアの卵が生まれるきっかけの場となることを目指しています。
ムラタの事業活動と紐づいた「科学」を通して「発見して考える」施設として、教育・文化の発展に寄与し、横浜みなとみらい21地区の新しい顔となるエリアを目指します。
原田さん:
にぎわい施設には、2つのエリアを設置します。
一つは「DISCOVER(発見)エリア」。
体験展示を通して、科学の楽しさを伝えるスペースです。
理科離れが進む原因の一つに、電気など目に見えないものの実感を持てないことがあります。
「DISCOVER(発見)エリア」では、目に見える科学をテーマに、科学に興味を持ってもらえる仕掛けをしていきます。
弊社が開発した球乗り型ロボット「村田製作所チアリーディング部」もデモンストレーションできる設えにする予定です。
もう一つは「THINK(考える)エリア」。
こちらは科学に関連する本を自由に読める場所。
科学に興味を持った子どもたちが、カフェで本を読みながら知識を深めていける空間をつくりたいと考えています。
また、工作の楽しさを伝える「電子工作教室」などのイベントも開催していきたいと考えています。
齋藤さん:
弊社では、出前授業といって、小中学校に出向き、科学やモノづくりのおもしろさを伝える活動を行っています。
しかし、どうしてもお会いできる子どもたちは限られてしまいます。
みなとみらいのにぎわい施設は、誰もが自由に出入りできるオープンスペース。
今よりももっと多くの子どもたちに科学のおもしろさを伝えることができるので、楽しみですね。
エレクトロニクスの進化や科学の未来を感じて、ワクワクしていただけるよう、イベント的に「村田製作所チアリーディング部」のデモを開催して、弊社の最先端技術に触れていただけるようにしたいです。
生湯さん:
みなとみらいにはオープンイノベーションを推進する企業が集まっていますから、弊社としても積極的にアプローチをしていきたいです。
75年間培ってきた社内の技術に、外の力やアイデアを掛け合わせることで、今までにない製品を世の中に発信していけると思います。
インターネットの発達などにより、ビジネススピードがどんどん早くなっています。
今まで手掛けてきた製品やロボット「ムラタセイサク君」「ムラタセイコちゃん」など、弊社のリソースだけで生み出すことができるものが多かったですが、一社だけで世の中のビジネススピードについていくのは、正直厳しくなりつつあります。
外部のパートナーなどと協業し、共にスピーディーなモノづくりをしていくことが大切になっているからこそ、弊社もみなとみらいに拠点を持つことでオープンな企業姿勢を示していきたいです。
河内さん:
建物内にはオープンイノベーションエリアも設け、外部の人と一緒に何かできるような空間にする予定です。
ただ場所をつくれば人が出入りするようになるわけではありませんので、建設計画段階から横浜市や周辺企業とのコネクションづくりは意識して取り組んでいます。
齋藤さん:
大規模な拠点を関東に置くことは、弊社としても大きなチャレンジです。
オープンイノベーションを進め、今までよりも外部との技術連携を進めることで、将来を見据えて成長していきたいです。
生湯さん:
みなとみらいにつくる拠点は、10年後、20年後も先進的な拠点であり続けてほしいです。
時代に求められるのは常々変化していくからこそ、フレキシビリティを大切にしたいです。
自由度が高く、チャレンジできる環境であれば、新しいことにも積極的に取り組めます。
みなとみらいの拠点がそうした場であることが、これからの会社を支える原動力になると思います。
齋藤さん:
もっと弊社のことを知ってもらえる拠点にしたいですね。
社是の中に「文化の発展に貢献し」という一節があります。
村田製作所も日本や世界の文化が発展していくことに貢献しているのだとみなさまに実感していただけるよう、情報発信やファンづくりに力を入れていきます。
将来的にみなとみらいの拠点が、文化の発展に貢献する村田製作所のシンボルになればいいですね。
私たちも本当に楽しみです。